#51
作り上げるのは
あなただけの質
作品という作品作り出すキモチ
ここで既に完成
生まれくる履歴
未来は過去なり
解説
「作り上げるのは あなただけの質 作品という作品」は、各個人の特性や独自性が作品を創造する原動力であることを強調しています。各個人が持つ個性や視点は、作品を作り上げるための重要な要素で、その人だけのオリジナルな作品を生み出します。
「作り出すキモチ ここで既に完成」は、新しい何かを創り出すことへの情熱や喜び、その意志自体が既に価値ある「完成品」であると示しています。ここではプロセスそのものが重視されており、結果や成果よりもその作業を行う意欲や情熱が評価されています。
「生まれくる履歴 未来は過去なり」は、私たちの過去の経験や行動が未来を作り出すという考え方を示しています。未来は過去から生まれ、私たちがこれまでに経験し、学び、創り出してきたものが未来を形成します。過去の経験や行動は未来を予見し、それを形成するための「履歴」であり、それが私たちの人生や人格を作り出していくのです。
今日のアクション
創造する喜びを感じる。
新しいアイデアを考えたり、新しいプロジェクトを始めたりすることに情熱を感じる時間を持ちましょう。それが何であれ、創造の過程を楽しむことは、最終的な成果以上の価値があります。
物語：揺蕩う時
一つの小さな港町で、舞子は彼女の小さな陶芸工房で働いていました。毎日、粘土と向き合い、手仕事で美しい陶器を生み出す彼女の日常は、湾に揺れる波のようにゆったりと時間が流れていました。
ある日、作りかけの壺を見つめながら、彼女は自分の人生を思い浮かべました。彼女が今まで作り上げてきた陶器たちは、どれも彼女の心の中に残る情景や思い出を形にしたものでした。それぞれの作品は彼女自身の物語を紡いでいたのです。
彼女が子供の頃に見た海、初恋の頃に感じた喜びと切なさ、大人になってから経験した悲しみや苦しみ、それら全てが、彼女の手から生み出される陶器に込められていました。
一つ一つの作品を完成させるたびに、彼女は自分自身をより深く理解し、人生の全てが自分の作品を作り上げる質につながっていることを実感しました。
ある晩、舞子はこれまでにないほど大きな壺を作りました。その壺は彼女の人生そのものを象徴するもので、彼女の生きてきた時間と感情が詰まっていました。そして、その壺を窯に入れるとき、彼女は泣きました。なぜなら、その壺は彼女自身の最高傑作であり、過去、現在、そして未来への思いが詰まった作品だったからです。
それから数日後、彼女が壺を窯から取り出したとき、その美しさに息をのみました。陶器に反射する朝日の光が、舞子の心を照らし、彼女の創造性と人生の旅路を祝福するかのようでした。
彼女はその壺を手に取り、海へと向かいました。そこで、彼女は壺を海に向けて振りかざし、その壺から自分の心と共に流れ出る砂を見つめました。それは彼女自身の時間、思い出、感情が海に溶けていく様子でした。その一瞬、舞子は自分が作り出した物語が新たな旅立ちを迎えていることを感じました。
そして、彼女は微笑みました。なぜなら、その瞬間、彼女は自分自身が一つの美しい物語を作り出していたことを理解したからです。舞子の物語は、自分自身が作り出す力と過去の経験を通じて、未来を創造することができることを教えてくれました。
おしまい