[物語]希望の自動販売機

いつでもどこでも

日本では至る所にある自動販売機。このお話しを読んでいる方も一度は飲み物を購入したことがあるのではないでしょうか。暑い夏の日に冷えたジュース美味しいですよね。凍えそうな冬に飲むコーンポタージュも私は好きです。頑張っているあの人に缶コーヒーを差し入れる。そんな経験がある方もいるかもしれません。そこに誰もいなくてもお金を入れてボタンを押せば、適切な温度の飲み物が手に入る。どんなに朝早くても夜遅くても必要な人に飲み物を届けられる素敵な仕組みです。

希望の自動販売機

現実世界の自動販売機からは飲み物が出てきますが、希望の自動販売機からは希望の光が出てきます。そしてこの自動販売機にお金は必要ありません。自分が好きなボタンを押す。これだけで希望の光が一つ出てきます。この希望の光を受け取った人は少しだけ元気になります。今ある問題の解決の糸口かもしれませんし、素敵な未来のイメージかもしれません。もしくは気づいていなかった周囲の人の素敵な一面かもしれません。絶望の淵に立っている人にとってはたった一つの糸のように細い希望の光かもしれません。この希望の自動販売機に出会う時、あなたの今は少しだけ良くなるでしょう。

赤い

あー今日も大変な一日だったなぁ。仕事も勉強も人間関係もうまくいかないし、やる気もでない、自信もないし精魂尽き果てた。もう疲れたなぁ。明日も同じ毎日が続くなんてやだなぁ。テクテク、、お、なんだこれは、希望の自動販売機?お金入れるところないけどボタンがあるぞ。うーん、あやしい、でもボタン押すくらいいいか。どの色にしようかなぁ。じゃあ赤にしよう。ポチ。ピカーん。赤い光の玉が出てきたぞ。うわ、体の中に入ってきた。なんだ、、この感覚は。暗い空間。夢の中かな。これは私の昔の記憶かな、、あぁ、お父さんとお母さんだ。若いなぁ。小さなホールケーキ。小さい頃の誕生日かな。二人ともこっちを見て微笑みながら何か言ってる。。なんだろ、、よく聞こえないな。名前を呼んでるのか。おめでとうって言って抱きしめてくれてるのか。あぁ、懐かしいなぁ。あったかいなぁ。あなたはこれから何にでもなれるって言ってくれてる。私も大きく頷いてうんって言ってたなぁ。あの頃は何でもできる気がしてたなぁ。あれ、今からでも何でもできる気がしてきたぞ。やる気少し出た。よし、今日帰ったら部屋を片付けて一つだけ何か進めようっと。明日も頑張れそう。

どこにあるのか

希望の自動販売機はどこにあるのでしょう。一つの答えは私の発信にあります。発信のテーマである今を1%良くする視点と仕組み。この発信を私は今後も続けます。あらゆる物事において希望を見つけ届けていきたいと思います。希望は未来を変える力です。私の発信を通して皆さまの今が1%だけ良くなることを祈ってます。

赤い光の源

実は、先程の話にはもう一つの物語があります。あの赤い光から遡ること数百年前。一人の老婆の命の火がまさに今消えようとしていました。

あぁ、私はもうすぐいなくなる。もうそろそろその時がくる事は私が一番よくわかっている。あぁ、長く素晴らしい時間だった。激動の時代に生まれ、子供の頃は白いごはんがキラキラ輝いて見えたなぁ。お腹はいつも減っていたけど、父上と母上のあの優しい笑顔を今でも鮮明に覚えている。父上がよく言っていた。今は苦しい時代かもしれないが、いつか本当に平和な時がくる。だから、前を見て生きろと。あの頃の私はなんのことかよくわからなかったけれど、今なら父上の言葉の意味がわかる気がする。母上はいつもニコニコと私の話しを聞いてくれたなぁ。私が成長するにつれ、父上の言った通りになった。白いごはんは当たり前になり、乗り物は変わり、異文化という見たこともない人たちに会い、新しい生活、新しい考え方を学んだ。たくさんの変化がそしてたくさんの出会いが私の時間を輝かせてくれた。そして私は今、私の愛する家族、夫、子ども、孫、ひ孫、そして友人たちに囲まれて最後の輝かしい時間を生きている。今こうして思い返すとは父上母上とそして同じ時代に巡り合った人たちの顔がたくさん思い浮かぶ。笑い泣き怒り喜び様々な感情が今体験しているかのような素晴らしい感情がわきあがってくる。あぁ、もう終わってしまうのか。出会った全ての人たちに一人一人ありがとうと伝えたいなぁ。そして彼らのこれからの時間が、もっと素晴らしいものになって欲しいなぁ。あぁ、もう少し生きたかったなぁ。私は父上のように勇気を伝えられただろうか。私の孫、そしてひ孫、そのまた子どもたちの未来が輝かしいものになってほしいなぁ。あぁ、もっと生きたかったなぁ。周りにはすすりなく声。老婆の視界は徐々に暗くなっていく。

老婆が目を開けると、周りには真っ暗な空間が広がっていた。そして老婆は小さな頃の子どもの頃の姿で浮いていた。老婆、いや少女は自分のことを思い出そうとするが何も思いだせない。ただ優しい気持ちにつつまれていた。周りにはいくつかの色の光りが輝いていて、ゆらゆらと動き、大きくなったりちいさくなったりしていた。少女はその一つ一つの輝きの美しさに心を奪われていた。中でも赤い光に少女は特別な輝きそして暖かさを感じていた。じーっと赤い光を見ているとまるでその赤い光が自分自身であるかのような、どこか懐かしく暖かい気持ちになっていた。気づくと少女はひときわ輝く大きな赤い光の中につつまれていた。こうして少女はまたゆっくりとまぶたを閉じた。

希望の光

私たちが自動販売機を使う時、多くの人は飲み物を買うでしょう。しかし、飲み物を自動販売機に入れる人もいます。自動販売機に飲み物を入れる人はきっとこう思いながら飲み物を入れるでしょう。あぁ、今日は暑いから冷えたジュースを飲んだら気持ちいいだろあなぁ。今日は寒いからあったかい気持ちになってほしいなぁ。と。この自動販売機に訪れるまだ出会ったことのない人の未来の幸せを願って一つ一つの飲み物を入れるでしょう。

希望の自動販売機。その中には希望の光が入っています。色により意味は違えど、希望の光を受け取る人の未来を願う想いが込められています。何世代もの時を超え、決して色褪せない希望の光。その一つ一つは誰かの想いによって、そして誰かの願いによって輝いています。この自動販売機はあなたが苦しい時にすっと目の前に現れるでしょう。そうしたらボタンを押してください。どのボタンでも構いません。直観で選んだ希望の光はあなたの今を少しだけ良くするでしょう。そして、あなたが未来に抱く願いはこの自動販売機の希望の光に込めましょう。希望の光を込める時、それは人により変わりますが、誰にでも必ず一度は訪れます。その時にありのままのあなたの想いを込めましょう、希望の光はこうして受け継がれていきます。

希望の自動販売機。今夜の夢に出てくるかもしれませんね。

 

 

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