地面師詐欺とメタバース

はじめに

どうもウルスです。今回は地面師詐欺について。土地の持ち主になりすまして財産を奪う詐欺。どんな時に増えるんでしょうね。過去の歴史も遡ってみていきたいと思います。

音声で聞きたい方はこちら。

地面師詐欺とは

参考

地面師(じめんし)とは、土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産をめぐる詐欺を行う者、もしくはそのような手法で行われる詐欺行為のことである。

引用:wikipedia

不動産って所有者が存在しますよね。でもその所有者は本物でしょうか。それをどうやって証明するのでしょうか。

戦後の混乱期

日本は焼け野原から短時間で奇跡の復活を遂げた国。ウルス

第二次世界大戦後。日本は焼け野原になりました。あぁそういえば祖父も疎開したりと当時は日本人の生活が一変した時代ですね。そう。そして地面師詐欺が多発した時代だそうです。

なぜ多発したか。そうです。登記所と呼ばれる国の役所も被災して、土地所有者の登記。つまり証明できる書類が焼けてしまったんです。「この土地は俺のもんだ」これを複数人が言った場合、誰が本物か証明する手段がなかった。こうなると地面師詐欺が多発しますね。

証明する方法が書類のみの時代はやはりこの書類が本物かどうか。もしくはその存在により証明するしかないので、空爆でなんとか生き延びで自分の家に帰ってみたら知らない人が住んでいたなんて出来事もあったのかもしれませんね。国対国の戦争という悲惨な状況の中で、まさか自分の間近にも別の敵がいたなんて想像もしたくありませんね。

そんなわけで地面師詐欺が多発する一つの状況は多くの証拠が消滅した時とのことでした。地面師詐欺は最悪ですが、日本人って当時の焼け野原から短時間で高度経済成長を遂げて素晴らしい社会を作ったと思いませんか。もちろんいろんな問題や犠牲はあったと思います。でもこの短期間で効率的に国力を上げて今の平和な日本を作った。これは紛れもない事実です。

日本はダメだとかいろいろな見方はあるかと思いますが、奇跡の復活を遂げた国。これは誇りに思って良いですし、その遺伝子は我々持っているわけですよ。つまりね、いいところを見てそこをさらに伸ばす。そんな思考に光を当てる。詐欺師は基本的に明るいところ嫌いなはずですからね。前向きにそしてオープンなつながりを持つ社会。そんな社会になったら詐欺は減るのかもしれませんね。

不動産バブル期

大きなシャボン玉。屋根まで飛んではじけて消えた。ウルス

さて次に地面師が増えた時代。それが不動産バブル期です。この時代の地面師詐欺のセールストークは少し違いそうですね。そう。今がチャンスですよ。急がないと他の人に買われますよ。でしょうね。バブルって怖いような夢があるような。不思議な表現ですね。チューインガムって名前をつけなかったのは素晴らしいネーミングセンスですね。

ガムの風船ははじけたあとにくちゃくちゃ噛みますからね。あら飲んじゃったって人は少ないですかね。私はごく稀に飲んじゃいますね。それ以外は紙に包んで捨てますね。でも悪い人いますね、ぺっと道端にね。ガムを吐く。やめましょうね。そしてこの捨てられたガムをふんじゃう。あぁもう最悪。なかなか取れない。こないだ子供の上履き洗ったらね。靴の裏にガムみたいなのがついている。よくよく聞いたら練り消しだと。上履きのゴムの部分だから本当に取れない。誰か良い取り方知っている人いたら教えてください。

また話が飛んでしまった。そうそう。バブル期。人々の心理状態はこうです。買えば絶対儲かるんでしょ。今買わないなんてあり得ない。いやいや投資に絶対はないですよ。投資は自己判断。周りが買っているからという理由で考えずに始める人は詐欺師の格好の餌食。お金を稼ぎたい。儲かりたい。その心理は誰もが持っているものですが、欲望は自分でコントロールしなければいけませんね。

兎にも角にも。市場が大盛り上がりする時代。そんな時代には地面師詐欺が多発する。この歴史は繰り返されますね。そう。今はメタバースという新しい土地が増えている時代。まさに仮想通貨バブル。web3バブル。そんな時期には儲けたいという心理をターゲットとした詐欺師が増えますので皆さまご注意を。そして今後の数十年、数百年後には、宇宙を舞台にした地面師詐欺。そう、月、火星、金星と人類に新しい土地が増える時代。もう他の惑星には土地に名前がついてますからね。これらが多くの人を対象に売買される日も近いですね。

オリンピック

その後電子化により他人へのなりすましが困難になり、地面師詐欺は減ってきたようです。ただやはり社会が盛り上がると詐欺は増える。この構造はあるようで、バブルの次の地面師詐欺。それは東京オリンピックの時代にあったそうです。オリンピックにより地価が上昇するのに合わせて、管理の行き届かない土地や所有者側の事情で表面化しにくい土地を舞台に地面師詐欺が行われたそうです。

土地は大切な資産。でも世代交代や相続などで管理がうまくいかない場合もありますよね。

2017年の地面師詐欺事件

インターネットや電子契約などが発達したので、詐欺がなくなった。そう思う方もいるかもしれません。もちろん以前よりは減ったのかもですね。ただ、2017年に大きな地面師詐欺事件がありました。調べたら出てくるんですが内容はこうです。東京のとあるエリアにある大きな不動産をね。大手の会社さんが買ったんですよ。数十億円で。でも実は持ち主と思っていた人が詐欺師だった。そして数十億円を振り込んでしまった。そんな事件です。大手の会社なのに引っかかった。そして動いたお金が数十億円と大きかったというのが特徴ですね。

なぜこんな事件が起きたのか。一つ言えることは詐欺師の中には大手の会社をも騙せる超優秀な能力を持った人たちがいるということ。組織体制や運用体制、そして専門家との連携をしっかり取っている大手でさえもこの地面師詐欺に合い数十億円を騙し取られる。この事件は詐欺師の能力の高さをある意味では証明してしまった事例と言えるのかもしれません。

もちろん私は詐欺師を尊敬はしていません。でもやはり強敵であることは心に留めておかないといけないと思いますね。

[物語]土地を持つ老人

ある不動産屋に勤める青年。フドウ。そう、敬称をつけたらフドウさん。彼は真面目な性格でお客様からの信頼も厚い。ある夏の猛暑日。今日も暑い中足で顧客開拓をしていた。こんにちはおじいさん。今日も暑いですねぇ。フドウはある老人に声をかけた。

世間話

こんにちはおじいさん。今年は特に暑くなりそうですね。あらこんにちは。見かけない顔だね。何かの営業マンかい?。はい、不動産の営業をやっています。このあたりも今ご挨拶に回っているところなんです。このエリアは由緒ある建物も多いですからね。私不動産を見るのもお話を聞くのも好きなんです。おじいさんはこのあたりにお住まいなんですか。

そうじゃよ。もう長いことここに住んでおる。このあたりは確かに歴史の長い建物が多いのかもな。でも新しく立つ建物もあるな。そういえばほら駅前の再開発。時代の移り変わりを感じるのぉ。戦後はあのあたりは焼け野原でわしが子供の頃は広い空き地じゃったのを思い出すわい。

繋がる二人

そうだったんですね。そんな昔のことは私存じ上げないので教えていただきありがとうございます。とするとおじいさんはその頃からいろんな変化を見てこられたんですね。もしかしてあの公園もない頃ですかね。私お弁当買ってあそこの公園で食べるんですよ。緑も多くて素敵な公園ですよね。

そうじゃ。あの公園はのぉ、、、青年とおじいさんは初対面にも関わらずおおいに話が盛り上がりました。おっと、わしもそろそろいかねば。青年よ名は何と言う?わしゃお主を気に入ったぞい。また話そうぞ。はい。ぜひ。では私の名刺お渡ししますね。あらおじいさん携帯電話持ってるんですね。はい。番号はと、、、、。今日は素敵なお時間をありがとうございました。またご連絡させていただきますね。

老人の正体

おぉ、フドウくん。久しぶりじゃのぉ。元気にしとるかい。おぉ。それはよかった。今度お茶でも?いいのぉ。こないだは楽しい時間じゃったのぉ。今度はゆっくりできる所で話そうぞ。こないだ話していた駅前のカフェはどうじゃ。いいのぉ。ではそこにしよう。いつが良いかのぉ。わしは暇人なんでいつでもよいぞ。

こうして二人はまた会うことになりました。場所は駅前の再開発でできた新しいカフェ。そして当日。お久しぶりですおじいさん。お元気でした?おぉ。もちろんじゃ。その後も二人の話は盛り上がりました。まるで昔からの知り合いのように。そして落ち着いた頃おじいさんがポツリと話します。

悩み

まぁフドウくんだから話すんじゃが、実はわしは独り身でのぉ。孫もおらず、妻も数年前に亡くなったもんでのぉ。それだけならいいんじゃが先祖代々受けついだ資産をのぉどうするか悩んどるんじゃ。もう後先長くはない身なもんでどうしたもんかとなぁ。このあたりはフドウくんの専門分野じゃろうからそれもあるんじゃが。わしが持っていてもなんともなぁ。

そうです。おじいさんは資産家でした。しかもざっくり話を聞くだけでも代々受け継いだというその資産はこの駅前再開発を超えるほどの土地のよう。しかもこのエリアにしか住んでいない。つまりその資産額は軽く見積もっても数十億はくだらない。しかもそれをどうしようか悩んでいらっしゃるよう。フドウくんにとってもビッグビジネスの予感を感じずにはいられませんでした。

解決策

そうですかおじいさん。私を信頼してお話をしてくださってありがとうございます。もちろん私はこの道のプロという自負もございますので、いくつかご提案させてください。上司や会社にも相談してみます。おじいさんが納得いく方法を探してみます。こういったものはご縁ですからね。そしておじいさんが大切にされている考え方や今後どうしたいかなどももう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

ここの再開発含め地域を活性化する。今地価も上がっていますからお金に変えてそのお金を使って何か今後やりたいことにする。その他様々な資産家の方向けのご提案は可能でございますので、代々受け継がれてきたこの大切な資産を先人の方々からの大切な想いをどうしたいかなども含めてお聞かせください。資産というのは繋がっていく想いですからね。今後の未来の方への手紙みたいなものですからね。では今日はありがとうございました。またご連絡させていただきますね。

老人の正体

こうしてフドウはおじいさんの悩み解決。そして不動産取引を通してのビジネスの準備をすることとなった。身寄りがない老人。でも資産家という立場。彼が何を求めているか、言語化をしながらも最終的には大きな取引となる予感を強く感じていた。

フドウと別れたおじいさんの電話が鳴る。おう、わしじゃ。あぁ、今終わった。順調じゃよ。そちらも予定通りたのむぞよ。ではまたぞな。今日も良き日じゃ。我々も長い付き合いじゃのぉ。今回もきっちりと頼むぞい。

通行人A

フドウはおじいさんと別れたその足でおじいさんが言っていた土地に行ってみた。さすができる男。行動が早い。そしていつものように地域の人にも聞き込み。そこに品の良いおばあさんが通った。どうやらこの辺りに住んでいる人で今は散歩中のようだ。夕暮れ時で雲に鮮やかなオレンジ色が混ざる頃。大きな木の木陰は少し涼しい風が吹いていた。

こんにちはおばぁさん。今日も暑いですね。でもここの木陰は少し涼しいですね。フドウはいつものように声をかけた。あらこんにちは。お散歩をするにはこの時間がいいわね。暑いのにお仕事かしら。外回りは夏の季節は大変ね。

そんなたわいもないやりとりをしてからフドウはさりげなく質問をした。そういえばここの大きな建物と土地って昔からあるんですね。私歴史ある建物好きなんですよ。こちらの建物も相当歴史がありそうですね。どんな方が住んでるんでしょうね。

あらあなた知らないの。ここの持ち主はこのあたりもよく歩いてらっしゃるわよ。お話好きで以前は奥様と二人で散歩されてたんだけど数年前に亡くなられてねぇ。今は一人で住まわれてるみたいよ。由緒あるお家ですからね。あのおじいさんももう高齢だしどうされるのかね。

通行人B

そこに現れた別のおばさん。あらおばあさん今日もお散歩ね。こんにちは。あらやだ新しい彼氏?イケメンね。もう冗談はやめてくださいよ。わたしゃもうおばあちゃんですよ。おやおやこの女性ぐいぐいくるな。どうやら彼女もこのあたりにお住まいのようで、色々と知っていそうだ。せっかくなので聞いてみよう。

こんにちは。今ちょうどこの広い建物のお話を伺っていた所でして、なんでも今ではおじいさんお一人だとか。あら、あなた不動産やさんなの?ここのおじいさんはやめておいたほうがいいわよ。奥様亡くされてから落ち込んでらっしゃって、あの頃にも不動産やさんたくさん来たけどね。なかなかうまく立ち回れなかったみたいでね。ここのおじいさんは一見誰にでも優しいんだけどね。本当は好き嫌いとっても激しいのよ。それにしても知ってる?ここの資産って100億にちょっと届かないくらいらしいわよ。前にも来てた不動産やさんが言ってたもの。駅前再開発でもだいぶ大きなお金が動いてしかも入ったテナントやら不動産やさんやらの噂を聞いたけどだいぶ今地価も上がってるからね。もしあのおじいさん口説いけた人がいたらもう大出世間違いなしね。

決意

ふむふむ。あのおじいさん。謙遜してたけどすごい人だぞ。これは早く会社に帰って報告しなければ。これは忙しくなるぞ。そう強く感じたフドウはお二人に丁寧にご挨拶をして、早足で駅に向かった。会社に着くとまず上司そしてその上役に直近あったことを伝えた。おぉ、フドウくん。まさかあの土地のオーナーと繋がれたとは。さすがわしが最終面接で見込んだ男だ。これまでも何人かが挑戦したものの

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